「うま味成分の種類は?」
「うま味成分がたっぷり入った食材はある?」
「料理がもっと美味しくなるうま味成分の相乗効果を知りたい!」
味の種類である「基本五味」のひとつ、うま味成分。
名前からもわかるとおり、料理のおいしさに直結します。
本記事では、そんなうま味成分の種類やうま味成分が豊富な食材などを、詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。

うま味成分とは?

うま味成分とは、食品や飲料に本来備わっているうま味の原料となる成分のことです。
この成分は、うま味を感じる味覚センサーに刺激を与え、食品や飲料の美味しさや風味を引き出します。
また、うま味成分には体に必要なアミノ酸が含まれている場合もあります。
うま味成分は調理においても多用され、調味料として利用されたり、うま味を引き出すために使われたりします。

うま味成分の種類

ここまでうま味成分の概要を説明してきましたが、一口にうま味成分といってもその種類はさまざまです。
ここからは、うま味成分の種類を3つ、以下のとおり解説していきます。

  • ・グルタミン酸
  • ・イノシン酸
  • ・グアニル酸

それぞれ見ていきましょう。

→グルタミン酸

グルタミン酸は、たんぱく質の分解や発酵などの過程で生じるアミノ酸の一種で、食品に含まれる天然のうま味成分の中でも最も多く含まれています。
グルタミン酸は、味覚受容体に結合することで、うま味を感じさせる作用があります。

また、グルタミン酸は体内で合成される必須アミノ酸のひとつでもあり、体内でのエネルギー代謝や筋肉の形成脳の機能などさまざまな生理機能に関わっています。
食品添加物として調味料やスープなどに使用されることもありますが、過剰摂取には注意が必要です。

→イノシン酸

うま味成分の一種である「イノシン酸」は、肉類や魚介類、マグロの赤身、干し椎茸、昆布等に含まれる核酸の一種です。
このイノシン酸は、加熱や長期間の加熱乾燥によってうま味のある成分である「イノシン酸ナトリウム」に変化します。
多くのうま味調味料の製造に用いられ、食品に使われる以前は、医薬品の原料としても使われていました。

また、イノシン酸とグルタミン酸を組み合わせることで相乗効果が生じ、より強烈なうま味が得られることが知られています。
ただし、過剰摂取は痛風発作を引き起こす可能性があるため、食生活のバランスを考えたうえで摂取することが大切です。

→グアニル酸

グアニル酸は、イノシン酸と同様に核酸の一種で、食品に含まれる天然のうま味成分のひとつです。
グルタミン酸やイノシン酸と同様に「第五のうま味」といわれることがあります。

主に肉類や魚介類、赤身のマグロ、乾燥した椎茸などに多く含まれています。
グアニル酸のうま味効果は、イノシン酸と同様に増幅作用があり、両者を合わせて使用することでより強いうま味を得ることができます。
なお、グアニル酸は身体に豊富に含まれる成分ではないため、多量摂取は健康に悪影響を与える可能性があります。

うま味成分の使い方

うま味成分は、調理中に食材や調味料に含まれた成分が加熱や調理によって増加されることで、食材の味や香りを引き立てます。
また、うま味成分が多く含まれる調味料を使うことで、料理の味に深みやコクを加えることもできます。
ただし、過剰に使用すると塩分摂取量が増加する場合があるため、食事のバランスには注意が必要です。

料理がもっと美味しくなるうま味成分の相乗効果

「うま味成分の相乗効果」とは、複数のうま味成分が組み合わさることで、食材の美味しさや風味がより強く感じられる効果のことです。
うま味成分にはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などがあり、それぞれの成分には特定の味があります。

たとえば、グルタミン酸はうま味を強める効果があり、イノシン酸はうま味とコクを強める効果があります。
これらの味を組み合わせることで、より豊かで奥深い味わいが生まれます。
料理の世界でも「出汁」や「ソース」などが代表的なうま味の相乗効果を生かした調味料として使われています。

また、異なる食材同士を組み合わせた料理でも、うま味成分同士が相乗効果を生み出し、新たな美味しさが生まれることがあります。
うま味成分の相乗効果を活かした料理は、野菜や魚介類、肉類など、どんな食材にも応用できます。

うま味成分がたっぷりの「干し椎茸」とは?

干し椎茸は水分を失った椎茸を乾燥させたもので、保存が利き、うま味成分が濃縮されています。
椎茸にはグルタミン酸やイノシン酸といったうま味成分が多く含まれ、干し椎茸にはそれらの成分がより豊富に含まれています。

また、干し椎茸は風味が豊かで、独特の香りがあるのも特徴です。
そのため、和食だけでなく中華料理や洋食、スープの素材としても広く使われています。
干し椎茸は乾燥しているため、水で戻してから使用する必要がありますが、戻した水はうま味成分がたっぷり含まれているため、スープや煮物の出汁として再利用することもできます。

干し椎茸は、美味しさだけでなく栄養価も高く、食物繊維やミネラル、ビタミンB類などが豊富です。

こちらの別記事では干し椎茸に含まれる栄養素について詳しく解説をしております。

干し椎茸に含まれる栄養素には様々な健康効果がありますので

是非とも参考にしてみてください。

干しシイタケの栄養素は生シイタケより優れている理由について解説

干し椎茸からうま味成分を抽出する方法

干し椎茸からうま味成分を抽出する方法は、以下のとおりです。

  1. 1.干し椎茸を軽く洗い、冷水で1日かけて戻します。
  2. 2.干し椎茸を細かく刻みます。
  3. 3.刻んだ椎茸を鍋に入れ、水を加えます。
  4. 4.中火で煮込みます。煮込む時間は約30分程度で、途中で浮いてくるアクを除きます。
  5. 5.火を止め、粗熱を取ります。
  6. 6.椎茸を取り出し、椎茸だしを完成させます。

この椎茸だしは、あらゆる料理に利用できます。

また、濃度や旨味の深さを調節することも可能で、料理に合わせて使い分けることができます。
干し椎茸のうま味成分を手軽に抽出することができるので、和食や中華料理など、さまざまな料理に取り入れてみましょう。

うま味成分を活かした椎茸の調理方法

椎茸にはグルタミン酸やイノシン酸といったうま味成分が豊富に含まれています。
これらの成分を生かした調理法としては、干し椎茸を使用して出汁をとる方法があります。
干し椎茸は水に戻してから火にかけ、しばらく煮ることによってうま味成分が溶け出し、とても美味しい出汁を作ることができます。

また、椎茸自体を食材として使う方法としては、炒め物や煮物、炊き込みご飯などもおすすめです。
椎茸の風味やうま味を引き出すためには、しっかり熱を通すのがポイントですが、ほかにも、調理前に干し椎茸を水に浸しておくなどの工夫で、よりうま味成分を引き出せます。

椎茸は食物繊維やビタミン類も多く含まれており、栄養バランスにも優れた食材です。
干し椎茸の活用や、椎茸自体を上手に使った料理によって、美味しく健康的な食事を楽しんでみましょう。

うま味成分は工夫次第で増加できる

うま味成分とは、食材に含まれる特定の物質で、食欲をかき立てる美味しさや風味を生み出します。
代表的なうま味成分として、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などがあり、これらの物質は、肉や魚、野菜などの食材に自然に含まれているほか、調味料や食品添加物としても利用されています。

また、調理方法によってもうま味成分は増すことがあります。
たとえば、煮込み料理や炒め物など、加熱することで食材からうま味成分が溶け出し、食欲を刺激するでしょう。
うま味成分はただ美味しさを増すだけでなく、食欲増進や健康増進などの効果をもたらすため、栄養学の観点からも注目されています。

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