「生シイタケと干しシイタケの違いは?」
「生シイタケと干しシイタケの保存方法は?」
「美味しいシイタケを食べたいとき、どの商品を選べばいい?」

生シイタケと干しシイタケでは、保存方法や含まれている栄養素が異なります。
とくに干しシイタケは、ビタミン要素など優れた栄養価があることが特徴です。
実際に美味しくシイタケを食べるのに、適切な保存方法や賞味期限はあるのでしょうか。

本記事では、生シイタケと干しシイタケの違い、干しシイタケに含まれる優れた栄養素、そして、シイタケ選びに困ったときのおすすめの商品について紹介します。



栽培方法の違い

生シイタケと干しシイタケでは、栽培方法に違いがあります。
ここからは生シイタケと干しシイタケの栽培方法の違いについて、詳しく解説します。

→生シイタケは菌床栽培

一年中新鮮な生シイタケを栽培・出荷するためには、徹底した水分・湿度管理による屋内での計画出荷が可能な菌床栽培が最適です。
菌床出荷では、おがくずなどで固めた培地にシイタケ菌を植菌させて栽培します。

原木栽培の干しシイタケと比較したとき、生シイタケは柔らかくなめらかな触感が特徴的な反面、風味は乏しい欠点があります。

→干しシイタケは原木栽培

原木栽培のシイタケは一度に集中して発生するため日持ちしづらく、多くが干しシイタケとして届けられます。

原木栽培の際にはクヌギ、ナラ、シイなどの広葉樹にシイタケ菌を培養した木片を原木に埋め込むことで栽培します。
原木栽培で育てられた干しシイタケは風味が豊かで、歯ごたえがあることが特徴です。


栄養素の違い


ここまでは生シイタケと干しシイタケの栽培方法における違いを紹介しました。
それでは生シイタケと干しシイタケでは、栄養素にどのような違いがあるのでしょうか。
ここからは生シイタケと干しシイタケの栄養素における違いについて解説します。

  • ・ミネラル
  • ・ビタミン群

ここでは、ミネラルとビタミン群の2つの栄養素における違いを解説します。

→ミネラル

乾燥させたときの質量が同等であるとして、生シイタケ20gと干しシイタケ20gを比較します。

ミネラル分では含まれるナトリウム成分について、生シイタケ20gあたり0.2mgに対し、干しシイタケ2gあたりでは0.28gと、含有されるナトリウム成分における大きな違いは見られません。

また、カリウム成分では生シイタケ20gあたり40.0mg、干しシイタケ2gあたりでは44.0mgと、こちらも違いが見られません。

このように、ミネラル分について大きな違いはみられませんでしたが、両者とも体内の余分な塩分を排出するカリウムを多く含むことから、血圧を低下させる効果が期待できます。

→ビタミン群

ビタミン群においても生シイタケ20gと干しシイタケ2gで比較します。
ビタミンB1では生シイタケ20gあたり0.02mg、干しシイタケ2gあたり0.01mgを含み、生シイタケと干しシイタケの間に大きな成分量の違いはみられません。

また、ビタミンB2においても生シイタケ20gあたり0.02mgを含む一方、干しシイタケ2gあたり0.03mgと、こちらも大きな差は確認できません。

このように、ビタミン群においても、生シイタケと干しシイタケとの間には目立った違いはみられませんでした。


生シイタケより干しシイタケが優れている成分

ここまでミネラル分やビタミン群において、生シイタケと干しシイタケとの間には含有量の差がないことを解説してきました。

一方で、生シイタケよりも干ししいたけが優れている成分もあります。
ここからは干しシイタケのほうが優れている栄養成分について紹介します。

  • ・ビタミンD
  • ・葉酸
  • ・ビオチン
  • ・レンチオニン
  • ・グアニル酸

次の5つの栄養素において優れた栄養成分を含む干しシイタケの性質について、くわしく見ていきましょう。

→ビタミンD

生シイタケ20gあたり0.1μg含まれているビタミンDは、干しシイタケ2gでは0.34μg含まれており、その差はなんと約3倍にものぼります。

生シイタケに含まれるエルゴステロールという成分が紫外線によって生成されることにより、干しシイタケに多量のビタミンDが含まれるのです。

ビタミンDは体内のカルシウム吸収を促進したり、骨の成長を促進したりする役割をもちます。
骨粗鬆症のリスク軽減のためにも、ビタミンDを十分に摂取することが重要です。

→葉酸

生シイタケ20gあたり2.8μg含まれる葉酸は、干しシイタケ2gあたりでは5.4μgと約2倍の含有量です。
葉酸はその名前にも表される通り葉物野菜に多く含まれるビタミン群ですが、干しシイタケにも多く含まれています。

葉酸は同じくビタミン群に属するビタミンB12と一緒に、赤血球のもととなる赤芽球とよばれる細胞をつくるために必要な栄養素です。
葉酸が不足すると、正常な赤血球をつくるのに支障をきたします。

赤血球を生み出すのに必要不可欠な葉酸を摂取することで、貧血防止にも役立ちます。

→ビオチン

生シイタケには含まれず干しシイタケにのみ含まれている栄養素として、肌を健康に保つ栄養素であるビオチンがあります。

干しシイタケ2gあたり0.82μgのビオチンが含まれており、皮膚や髪の毛を健康に保つ効果が期待できます。

→レンチオニン

干しシイタケ独特の香りの要因となっているレンチオニンも人間の体にとって有益な栄養素です。
レンチオニンは生シイタケに含まれるレンチニン酸が特定の酵素と熱を浴びることにより生成されます。

生シイタケが乾燥して干しシイタケになる瞬間や、干しシイタケを水で戻す瞬間に生成されます。
香り成分としても重要なレンチオニンは、血小板の凝固を防ぐことで血栓症のリスクを防止する効果も期待できます。

→グアニル酸

3大旨味成分にも属するグアニル酸は、唯一干しシイタケにしか含まれていない栄養素です。

グアニル酸はグルタミン酸やイノシン酸といった他の旨味成分とあわせて摂ると深い旨味を堪能できるだけでなく、先述したレンチオニンのように血小板凝固を防ぐ性質をもつため、脳梗塞や心筋梗塞のリスク軽減を期待できます。

こちらの別記事では、干しシイタケと生シイタケの栄養素の違いについてより詳しく解説しています。効果的な食べ方も紹介しているのでぜひ合わせてご覧ください。

干しシイタケの栄養素は生シイタケより優れている理由について解説


干しシイタケのうま味について


香ばしい風味が特徴的なシイタケですが、そのうま味を深めるためには賞味期限や保存方法が重要です。
ここからは、生シイタケと干しシイタケの賞味期限・保存方法についてくわしく見ていきましょう。

  • ・生シイタケの賞味期限と保存方法
  • ・干しシイタケの賞味期限と保存方法

生シイタケと干しシイタケの賞味期限・保存方法は以下の通りです。

→生シイタケの賞味期限と保存方法

生シイタケの賞味期限は短く、傷ませずに触感も保持しながら保存するのは比較的難しいです。

生シイタケの柔らかい触感を保つためには乾燥は大敵である一方、水分や湿気を過度に含んだ生シイタケはすぐに黒く変色し傷んでしまう恐れがあります。
生シイタケは賞味期限に関わらず、買ってから遅くとも1週間以内に使用するように気をつけましょう

また、保存方法については、キッチンペーパーや新聞紙で湿気対策を行ったうえで、タッパーなどの密閉容器や袋に入れて保管するようにしましょう。
すぐに食べきれない場合には冷凍保存も有効で、冷凍すれば1か月ほど保存できます

→干しシイタケの賞味期限と保存方法

干しシイタケは保存方法によって1年間長持ちさせることも可能ですが、そのためには湿気を避け、冷暗所で密閉容器に保管するなど、徹底した保存管理が必須です。
密閉容器に乾燥材を入れればさらに新鮮な状態で保存できます。

また、一度水で戻したシイタケは水に戻したままだとエグ味が発生し渋くなりやすいため、1週間以内で食べきるように気をつけましょう。


生シイタケと干しシイタケにはそれぞれの美味しさが

ここまで干しシイタケに含まれる栄養素や、生シイタケや干しシイタケを美味しく食べるための保存方法などについて紹介しました。

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