「原木シイタケと菌床シイタケの違いは?」
「原木シイタケの作り方は?」
「原木シイタケを作るのに必要なものは?」

原木シイタケと菌床シイタケについて、栽培方法や味・香りの違いに関するこのような疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。

原木シイタケと菌床シイタケは栽培方法が大きく異なるほか、価格や流通方法などにおいてさまざまな違いがみられます。

本記事では、原木シイタケと菌床シイタケの違いや原木シイタケの栽培方法、原木シイタケを作るのに必要なものなどについて紹介します。

原木シイタケと菌床シイタケ

シイタケの栽培方法には「原木栽培」「菌床栽培」の2種類があり、それぞれの方法で栽培されたシイタケを「原木シイタケ」「菌床シイタケ」と呼びます。

2種類のシイタケにはどのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、原木シイタケと菌床シイタケの違いについて見ていきましょう。

  • ・原木シイタケとは
  • ・菌床シイタケとは

2種類のシイタケそれぞれの違いについて、特徴に着目して比較します。

原木シイタケとは

原木シイタケの栽培では、クヌギやコナラなどの木を伐り倒して枯れ木をつくり、そこにシイタケの菌を植菌して天然とほぼ同じ状態でシイタケを栽培します。

特長

直接枯れ木に植菌し自然の状態に近いかたちで栽培される原木シイタケ。
それでは、原木シイタケにはどのような特徴があるのでしょうか。

  • ・培養環境
  • ・培養媒体
  • ・栄養
  • ・栽培期間
  • ・流通
  • ・生産
  • ・価格

「培養環境」「培養媒体」「栄養」「栽培期間」「流通」「生産」「価格」の観点から特徴を見ていきましょう。

培養環境

原木シイタケは自然の環境(山のなか)で栽培されます。

培養媒体

原木シイタケの培養媒体はクヌギ・ナラなどの広葉樹です。

栄養

原木シイタケは無農薬で栽培され、木の養分を吸収することで繁殖します。

栽培期間

原木シイタケの栽培期間は約2年です。

流通

原木シイタケはおもに干しシイタケとして流通します。

生産

原木シイタケは自然環境下で栽培されるため気候の影響を受けやすく、安定した生産が不可能です。

価格

食感は肉厚で香りも豊かな原木シイタケは高価格で販売されます。

菌床シイタケとは

菌床シイタケとは、木のおがくずと米や麦の糠を混ぜた人工的な栄養にしいたけ菌を植え、湿度や温度を管理する施設で栽培する菌床栽培で育てられたシイタケです。

特徴

人工的な管理のもと大量生産が行われる菌床シイタケ。
それでは、菌床シイタケにはどのような特徴があるのでしょうか。

  • ・培養環境
  • ・培養媒体
  • ・栄養
  • ・栽培期間
  • ・流通
  • ・生産
  • ・価格

それぞれの特徴にそってくわしく見ていきましょう。

培養環境

菌床シイタケは人工的な環境で栽培されます。
菌床シイタケを栽培するための人工的な施設では、温度や湿度が徹底して管理されています。

培養媒体

菌床シイタケは菌床となるおがくずブロックで栽培されます。

栄養

菌床シイタケの養分は人工的に生成された人工養分です。

栽培期間

菌床シイタケは人工的な管理のもと栽培されるため、約3~6ヶ月の短期間で栽培できます。

流通

菌床シイタケの多くは生シイタケとして流通しています。

生産

人工的な管理で栽培される菌床シイタケは、低コストで大量生産が可能である点が特徴です。

価格

菌床シイタケは原木シイタケと比較して、やや低価格で販売されます。

原木シイタケと菌床シイタケの違い


原木シイタケと菌床シイタケは、栽培方法の違いによって味・風味、流通サイクル、流通価格に差があります。

原木シイタケは自然の環境を活かしながら適度な手入れが行われているため、原木シイタケは肉厚でしっかりとした風味が楽しめることが特徴です。

一方で、菌床シイタケは原木シイタケと比較したとき、味も香りもソフトな仕上がりです。

こちらの別記事では、干しシイタケの作り方について解説しています。生シイタケを干しシイタケにすることで、栄養価や旨味をアップすることができます。ぜひ合わせてご覧ください。

干しシイタケの作り方について解説

原木のつくりかた

ここまで、原木シイタケと菌床シイタケとの違いを紹介しました。

原木シイタケの特徴は、自然環境を活かした原木栽培で育てられることです。
原木シイタケを栽培するとき、まずは原木をつくる作業が必要です。

原木をつくる際には森のなかの木を伐り倒し、90〜120cmの長さに揃えて切ることで原木をつくります。

クヌギ、コナラ、ミズナラといった木が原木に適しており、これらの樹木は樹皮が厚く内部に養分を蓄積しやすい特徴があります。

伏せこみ

伐り倒した原木にシイタケの菌である「タネコマ」を打ち込んだあと、シイタケの栽培における長い培養期間に入ります。
このシイタケの菌を培養させる期間は「伏せこみ」と呼ばれ、期間は約1年間にも渡ります。
伏せこみは原木全体にシイタケの菌糸を蔓延させるために行われます。

原木シイタケの栽培に必要なもの


原木シイタケの栽培には何が必要なのでしょうか。
シイタケの原木栽培に必要なのは、次の3つです。

  • ・ホダ場
  • ・ホダ木
  • ・タネコマ

シイタケの原木栽培に必要な3つについて、くわしく見ていきましょう。

ホダ場

原木シイタケの栽培場所のことを「ホダ場」と呼びます。

ホダ木

原木に使用する木のことを「ホダ木」と呼びます。

タネコマ

ホダ場にあるホダ木に打ち込むのが、シイタケの菌のかたまりである「タネコマ」です。

タネコマにはさまざまな種類があり、春だけにシイタケが発生するものや肉厚なシイタケが発生するものなどがあります。

原木シイタケも一興

ここまで、原木シイタケと菌床シイタケの違いや、原木シイタケを栽培するのに必要なものなどについて紹介してきました。

一般に流通している菌床シイタケでは味が物足りない場合には、専門店で販売されている原木シイタケを試してみるのもよいでしょう。

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