市販の干し椎茸の袋などに「干し椎茸を戻すときにはレンジでチンする」というような記述があります。
しかし、これはまったくの誤りです。
温めれば椎茸はやわらかくなりますが、せっかく生成されたグアニル酸に別の酵素が作用し、逆に旨味をなくしてしまいます。
こうした方法は、生産者が調理に手間のかかる干し椎茸を手軽に使ってもらいたいという発想で広められてきましたが、干し椎茸本来の特性を考えれば、多少手間がかかったとしても、美味しく水戻ししてあげたいものです。
水戻しの仕方の正解は「24時間冷水で水戻しすること」。こうすることによって、旨味成分であるグアニル酸が多く発生することが確認されています。24時間なんて長いなぁと感じられるかもしれませんが、冷蔵庫で数日水戻ししておくといった感覚でOKです。水戻しすると椎茸は生の状態ですから、1週間以内に使いきってくださいね。
美味しいものにはちょっとした時間と手間がかかります。干し椎茸は究極のスローフードですから。